福井県産玄そば(そば粉)のみ取り扱っております

日本全国見渡しても北から南まで有名なそばの産地がたくさんあり、昔には救荒作物として人々の命をつなぎ、各地方ではお祝いの食物として人々の喜びに華をそえた日本そばは、郷土が育んだ伝統食でもあります。
どの地方のそばもそれぞれの地域特性や気候条件にあった品種、昔から伝わる在来種など味や食感も異なり、 日本全国素晴らしいそばの産地がたくさんあります。
その中でも小さなこだわりになりますが、弊社では地元福井県産のそばだけにこだわって取り扱っております。また、比較的価格が安価な外国産のそばなどのお問合せもありますが、他県産及び外国産の玄そば(そば粉)につきましては申し訳ありませんが取り扱っておりません。
福井在来種とは?

そばの産地は日本全国各地にありますが、その中でも福井県は年々と知名度が上がってきております。玄そばの作付面積や収穫量も拡大しており、日本全国でも上位の作付面積や収穫量を誇っております。そして今も、福井県内生産者さん達の美味しい福井県産そばを栽培・収穫したいという努力や熱い思いが続いています
福井県は日本の真ん中あたりで、日本海側に位置してます。四季折々がはっきりとした気候に恵まれ、地下に流れる澄んだ雪解け水もふんだんにある、この福井越前の豊かな気候が福井県産独特の香り高く風味豊かなそばを育ててくれます。

福井県に限らず、そばは遺伝子形質の固定が難しいことから、いわゆる「品種」は少ないといわれています。そのため、他産地(地域)との違いを明確にするため、異なる形質を現すものを「系統」とし、地域名をつけて「〇〇在来」と命名して品種に準じています。
福井県では昔から「福井在来種」を栽培してきました。「福井在来種」の特徴として、粒の大きさは他県の産地のものと比べると小粒であるが、しかしながらその分実が締まっており、味わい深く、香り高い、そして品質の高さが認められています。
福井県内でも各土地柄によって自然環境や気候が微妙に異なってきます。その各地の土壌や気候がそれぞれ独特の在来種を育て上げます。大野在来種、丸岡在来種、美山在来種、今庄在来種など、今ではその土地固有の「福井在来種」が栽培されています。

福井県では8月上旬から中旬に播種を行い、約70~80日程度で完熟し、収穫期を迎えます。大体10月下旬~11月上旬頃に刈り取りを行います。
そばは昼と夜の寒暖の差がある場所で育つと、甘味がぐんと増し質のよいでんぷんが作られるとされています。このでんぷん質がそばの風味・食感をよくし、そばを美味しくするとされています。
ちょうど、昼と夜の寒暖差が大きくなる頃に実をつけてくる福井県のそばは、気温が高い日中に実が育ち、夜になり冷え込むと実がぎゅっと栄養を閉じ込める。
この成長と栄養を貯め込む絶妙のバランスが、小粒ながらも味わい深く香り高い福井県産玄そばを生み出してくれます。
自社におけるそば粉になるまでの玄そばの栽培管理
そばは、そば粉とつなぎ粉、そして水を混ぜ合わせ、練って延ばして切るだけに非常にシンプルです。それだけに原料となる”玄そば”の良し悪しによって、挽き上げたそば粉の出来は大きく変わってきます。そして、打ち上げたお蕎麦の形になった時に、味や香り、そしてコシ等の食感にも影響してきます。一見単純だけどかなり奥深い。そんなそば粉の元となる”玄そば”から自分たちが関わりたい。そして、そば粉の質を追求したい。そういう思いから、福井越前県内各生産地の生産者からの仕入れ以外にも、自社栽培管理部門によるそばの栽培管理から乾燥調製作業も自社にて手掛けております。
そば粉の良し悪しは原料となる玄そばの出来にあり!
そば粉の良し悪しは原料となる玄そばの品質が大きく関係してきます。玄そばの栽培地や品種なども影響しますが、品質を落とさないための、収穫後の素早い作業と的確な乾燥作業、入念な調整選別を行う事により、製粉後に香り高く・味わい深いそば粉に製粉することができます。
弊社の玄そば乾燥調製施設では、そばの実に負担をかけぬように、出来上がりまで時間と手間をかけ仕上げていきます。栽培管理から乾燥調製まで自社にて行う事により、「福井県産在来そば」の本質を追及しております。
福井県産玄そばの実力を引き出すための3つのこだわり
- そば本来の香り・旨味品質を損なわないように、乾燥温度は低温でゆっくりと時間をかけて行っております。
- 一次乾燥で水分率を16%程度まで落とした玄そばを、乾燥機より取り出し一週間程度養生をさせます。養生後の二次乾燥で水分率を14.5~15.0%程度までゆっくりと調整乾燥させます。
- 選別調整ではとにかく割れた実や質量の軽い実などは厳選して取り除くことでしっかりとしたそばの実だけを袋詰めします。
弊社のそばの栽培における取り組み

そばの栽培で重要なポイントのひとつとして、播く種の管理が挙げられます。弊社では基本的に前年に収穫した種(玄そば)を播くことになります。
案外播種用の種というと粒が小さいなど、出来の悪かったものを播種用にしてしまいがちですが、弊社では播種用に特に質の良い前年度の玄そば(福井県在来種)を次年度の栽培用に厳重に保管しております。
そうすることによって、その土地に育った玄そばの質の良さと、その土地独特の特色を、次年度に引き継いでいます。

時は四百年前の江戸時代、福井の地にそばの栽培の奨励や蕎麦の食べ方を伝えたとされる福井藩家老本多富正公の所領は、越前そばの中心地とされる越前南部(現在の越前市であり、旧武生市・旧今立町)地域であったといわれています。 福井越前そば発祥の地でもある福井県越前市(旧今立町)を主にそばの栽培を行っております。
位置的には福井県のほぼ中心にあたります。市街地中心部から離れており、周辺は山に囲まれた緑豊かな栽培環境です。また、非常に水質が豊かな土地柄で、参考として福井県では上質の湧水が湧く箇所に、「ふくいのおいしい水」の認定を行っています。
平成25年8月時点において福井県全体で47箇所の湧水等が認定されており、そのうち12箇所が越前市の湧水等と県内でも一番の認定数の多さを誇っています。このように、豊かな土と水と気候がそばを育てる最高の要素となっています。

そばはやせた土地でも簡単に栽培できるイメージがありますが、なかなかそうでもありません。そばは湿害に極めて弱いため、排水の悪い盤などは避け、水はけの良い盤を選ぶことに気をつけなければなりません。
また、播種時には機械・人力による徹底した溝切りなどの排水対策も施さなくてはなりません。このように土壌の条件が悪ければ、収穫する玄そばの質の良し悪しや収穫量にも大きく影響してきます。
また、播種のタイミングにも気を使います。 通常福井県では8月上旬から8月中旬頃付近になりますが、播種前後などに激しい降雨が予想される場合には播種の時期のタイミングを変更するなど考えていかなければなりません。
近年になって局地的な大雨や、異常な天候による大雨などがよく見られることから、この時期の天候には毎年毎年ヒヤヒヤさせられます。

いよいよ秋になるとそばの収穫となります。こ の時期が近づくと自然にソワソワしだします。福井県では播種より約70~80日程度経過した頃10月下旬から11月上旬に収穫を行います。目安としては、成熟期(黒化率約70~80%程度)になりますと収穫を行いますが、この収穫のタイミングを決めるのも非常に重要なポイントとなります。
最近、注目を浴びている「早刈りそば」ですが、通常ですと11月上旬位が刈取りのピークとなるのですが、通常より1週間から10日程度早い10月中下旬頃に刈ったものが早刈り(黒化率40~50%程度)の部類にはいります。
刈取りは晴天の日中に行うことになりますが、朝一番ですと露に濡れていることから刈取りが困難なため、ある程度太陽が昇り、乾燥しだした(9時~10時)頃からのスタートとなります。
そのため少しでも多く刈取りたいとの思いで1日の終了が必然的に遅くなってしまい、周りが暗くなってしまう夕方ギリギリとなってしまいます。
また、収穫時期には茎などの水分が高く、枯れた残葉も多い状態なので、つまりなどのトラブルをおこさないように刈取り速度は低めで収穫を行います。

収穫した玄そばは収穫後の高水分状態での長時間の放置は品質の低下に影響するため、迅速な乾燥作業への進行を心がけています。
また、乾燥仕上がりでの玄そばの含水率(水分率)は15%を基準としています。含水率(水分率)15%前後が最適とされていますが、乾燥機械の違いや、収穫時の天候、湿度、収穫された玄そばの具合などにより、微調整が非常に難しくなります。
含水比調整に関しては、これまでの経験値に沿って作業を行い、工程的には収穫したものを自社乾燥施設にて乾燥させ、その後に選別及び不要物の除去などの作業をした実を袋に詰め、最後に等級検査を行います。