増田そば製粉のそば粉作り

蕎麦の栽培から石臼挽きによる製粉、そしてお客様のお手元に届くまで

質の良い美しいそば粉にするための条件とは「一つ一つの工程の作業を丁寧に確実に行うこと」

丁寧な製粉をしたそば粉

石臼挽き福井県産越前そば粉(挽きぐるみ)


質の良い美しいそば粉とは?と聞かれますと、色々な答えが出てきますが、一つ挙げるとしましたら、そば粉になるまで「一つ一つの工程の作業を丁寧に確実に行うこと」とういう考えが出てきました。、袋詰めまで「丁寧な仕事をしたそば粉」ということになります。 徹底した品質管理をした玄そばに、製粉前の前処理(玄そばの精選・石抜き・磨き等など)を入念に施し、石臼で挽いた挽きたてのそば粉は、手でつかむとしっとりとしていて指のあとがしっかりと残ります。これはそば粉自体に適度な含有水分があり、そば粉がキメ細やかであるためです。蕎麦を打つときの扱いやすさやまとまりやすさとも直結しており、無理なく打った蕎麦は、出来上がりの香り・風味・味わいなどの持ち味を十分に引き出すことができます。

増田そば製粉所のそば粉つくり

篩いにかけたそば粉から濃厚な香り

水回しの時に広がる濃厚な蕎麦の香り


当社では以前は「特選そば粉/挽きぐるみ」一種類のみを挽いておりました。現在は、一般販売用に「挽きぐるみ「田舎挽き」「抜き実挽き」の三種類のそば粉を挽いております。石臼挽きの場合は、石臼の目立てや回転数、上臼と下臼の間隔、フルイの目の使い分けなどによってさまざまな種類のそば粉を生み出すことが可能でございます。「こんな感じのそば粉やあんな感じのそば粉も挽いてお客様に使っていただきたいなぁ。」との思いもございましたが、当社は福井県の小さな小さな粉屋さんでございます。また、自社によるそばの栽培から石臼挽きによる製粉と全てを自社にて管理しております。また、ゆっくりと低回転で挽き上げる石臼挽き製粉は非常に作業効率が悪くなります。 自分たちのできる範囲内の仕事を確実に一生懸命行う。石臼を必要以上にまで酷使して、品質を落としてまで数種類の粉を大量に生産することはしたくないと考えております。そのため一日に挽き上げられるそば粉の生産量は限りなく少なく、「挽きぐるみ」「田舎挽き」「抜き実挽き」の三種類になった今も一日の全体的な製粉量に関しましては増やしておりません。その日に挽けたぶんのそば粉をその日のうちにお届けできればと考えております。

一日に挽けるそば粉の量はごくわずかである

しっとりとした手触りのそば粉

握ってみると感じるそば粉の良さ


弊社では現在、自社制作した14台の石臼を使用しております。14台の石臼のうち11台は「挽きぐるみや抜き実挽き」専用として稼動しております。残る3台が「田舎挽き」専用として稼動しております。 一分間に約15~18回転する石臼で挽ける蕎麦粉の量はたったの40g~45g/一分間です。石臼にて挽く前の玄そばの前処理や挽き上げた後の仕上げのふるい作業やその他作業時間を考えますと一日に石臼が稼動できる時間は約6時間です。 玄そばの前処理や仕上げのふるい作業におきましても挽き職人が目で見て、手に取り、その作業での仕上がりを一つ一つ感じ、確認してから次の工程へと移ります。そのため挽き職人一人が対応管理できる石臼もこの台数で一杯一杯でございます。また、長時間の石臼の稼動はそば粉の仕上がりにも若干影響いたしますので、これ以上長時間は稼動する事もできません。参考までに「挽きぐるみ」ですと石臼最大8台稼動で一日6時間挽いても45g/分×6時間×60分×8台=約130kg この事からも、一日に挽くことのできる蕎麦粉の量は限られていることがお分かりになられるかと思います。その分、一日一日の挽きを一年を通して品質を落さずに、お客様のお手元にお届けすることに全力投球いたしております。
握った跡が残るしっとりしたそば粉

良質のそば粉は手で握るとしっとりとして握った跡が残る


「前回のそば粉は良かったけど今回使ったら以前と違う」というようなことが起こらないように、毎日の気候や温度、湿度など挽く時の環境を把握しながらそれに適応した挽きを行い、わずかな変化にも気づき適宜対応し、一年を通して良質の福井県越前産そば粉をお客様のお手元にお届けさせていただきます。