ずる玉ときらず玉

ずる玉とは、水回しの時にうっかり水を入れ過ぎてしまうことにより、少々やわらか過ぎるものができてしまいます。そうしますと伸ばすのに力がいらず、延しの作業中にすぐに広がりますので、楽だとばかりに打ち粉をたっぷり打って蕎麦にしてしまう。しっかりともみこまれていないので、ちぢれて腰の立たない歯切れが悪くなってしまいます。このようなものをずる玉といいました。

きらず玉とはずる玉を通り越して、もっと水分が多くなりすぎますと、今度はベタついてあっちこっちにくっつきます。これではいくら打ち粉を打っても蕎麦にならないため、後から粉を足し固さだけを普通にしたものをいいます。たっぷり水を吸って溶けた状態の中に、乾いた粉を混ぜても、後から加えた粉には水分がしみ込みません。つまり、伸ばした時に粘りの無い部分がちらばり、そこから穴が開くか、何とか伸ばせても切られて細くなると、そこがキズになり折れて「箸にも棒にもかからない」ものにしかならないので、切らずに捨ててしまったことから名づけられたそうです。