おうちで簡単『蕎麦打ち講座』

いざ、蕎麦打ちに興味は持ってみたものの、
「お蕎麦は打ちたいけど道具が無いし、全部そろえるのも大変だなぁ」
「一度も蕎麦を打ったことが無いから、いきなり本格的に始めるのも不安だなぁ」
と、中々最初の第一歩を踏み出せないのではないでしょうか?

今回、ご紹介する方法はなるべく高価な蕎麦打ち道具などを購入せずに、なるべくご家庭のキッチンにある道具だけを使い、お家でお蕎麦を打てる方法です。
本式の打ち方ではありませんが、ご家庭でご家族や友人と一緒にワイワイ楽しく、お蕎麦打ちとその出来上がりのお味を楽しんでください。
慣れてくると15分から20分程度で美味しい手打ち蕎麦が打てますよ。

ご家庭にある道具以外にも、一部用意しなければならないものがありますが、ホームセンターなどで購入すれば安価に購入できます。

簡単蕎麦打ちの道具
打ち台平らなテーブルや食卓などを利用して使います。
綿棒ホームセンターや百円均一などのお店などにある丸棒を使います。※パンやお菓子生地を延ばすための取っ手付きの麺棒があれば非常に延ばし易くなります。
包丁刃が真っ直ぐな菜切り包丁などがあればいいですが、ご家庭にある普通の包丁でも大丈夫です。
こま板こま板を使わずに「手こま」で切っても大丈夫ですが、あればこま板をご使用ください。麺幅を綺麗に切り揃えやすくなります。※段ボールや厚紙などで簡単に自作したものでも大丈夫です。
こね鉢正式なこね鉢の代わりに、キッチンにあるボウルなどを使います。
まな板ご家庭にあるまな板で大丈夫です。
ハカリご家庭にあるハカリで大丈夫です。
軽量カップご家庭にある軽量カップで大丈夫です。

二八蕎麦(そば粉八割に対してつなぎ粉を二割)の蕎麦打ちです。この量で打つと約2~3食分の生蕎麦ができます。まず最初にハカリでそば粉やつなぎ粉を計量してボウルに入れます。加水用の水も計量しておきます。材料の分量を計り終えたらいよいよ蕎麦打ちに入ります。分量を量ったそば粉とつなぎ粉を、ボールなどに混ぜて入れて用意しておきます。打ち粉はタッパーなどに入れて、蕎麦を打つときに使いやすいようにしておきます。

簡単蕎麦打ちの材料
そば粉160g
つなぎ粉(割粉)40g
90g
打ち粉(花粉)適量

水を加える前に、ボウルに入れたそば粉とつなぎ粉に混ぜムラがでないように、指先でしっかり混ぜ合わせます。そば粉とつなぎ粉が均一に混ぜ合わさったらOKです。

簡単蕎麦打ち(水回し)

そこに第1回目の加水(水を加える)をします。最初の加水量は全体の2/3程度(60g程度)の水を全体に均等に加えます。

簡単蕎麦打ち(水回し)

水を加えたら両手の指先で粉と水を合わせていきます。

簡単蕎麦打ち(水回し)

水分の多い場所に周りの粉をかけて、水が粉全体に均一に回るようにします。この時にはなるだけ粉を強く握ったりしないようにして下さい。水分の多い部分と水分の少ない部分といった様に、粉全体の中でムラができてしまいます。時々手のひらと手のひらで粉を擦りあわせて粉をもみほぐします。

簡単蕎麦打ち(水回し)

水回しがうまくいくと粉が写真の様な粟粒状のような感じになります。この時点では粉が水分を含んでいても、まだ少しパサパサパラパラといった感じですが大丈夫です。次の工程に進みましょう。

簡単蕎麦打ち(水回し)

次に、最初に加水をして残った水を全て入れます。水を入れる時には全体にまんべんなく均一に振りかけます。

簡単蕎麦打ち(水回し)

水を加えたら手で素早く全体を混ぜます。そうしますと写真のように、段々と粉のかたまりが大きくなってきます。

簡単蕎麦打ち(水回し)

水が全体に十分に回ってきたら水回しの作業の完了です。

簡単蕎麦打ち(水回し)

写真のようにかたまりを一つにまとめてそば玉にします。その時に手にくっついている材料も取りまとめるといいでしょう。

簡単蕎麦打ち(水回し)

水回しの終わったそば玉は約200g程度ですと、片手でこねても大丈夫な分量です。粘土遊びの感覚でこねていきます。子供さんも頑張ってこねてください。片手でボウルを押さえ右手の手のひらでこねます。

簡単蕎麦打ち(練り)

生地をこねているうちに段々と生地にツヤが出てきます。あまり長時間こねていると手の温度で生地が温かくなってしまいますので、こねる時間としては約1~2分程度こねればよいかと思います。写真のように生地の表面にツヤが出てきて大丈夫そうなら最後にそば玉を整えて完了です。

簡単蕎麦打ち(練り)

整え方はまず一点に穴を集中させ三角錐(さんかくすい)の様な形を作ります。少しくらい形がくずれていても大丈夫です。次の作業できれいに整えましょう。

簡単蕎麦打ち(練り)

次にボウルの中で生地の側面を押えながら生地を回転させて表面を整えていきます。

簡単蕎麦打ち(練り)

ある程度穴が一点に集中したらこれで完了です。

簡単蕎麦打ち(練り)

出来上がったら三角錐(さんかくすい)のてっぺんを手のひらで押さえながらつぶしていきます。さて、出来上がりはどんな形になるでしょうか。

簡単蕎麦打ち(練り)

押さえ込んだ生地は円形(えんけい)の形になります。これで練りの作業は完了です。きれいな円形になりましたでしょうか?

簡単蕎麦打ち(練り)

練ったそば玉を平らなテーブルや食卓に移動し、いよいよ「延し」の作業となります。打ち粉と綿棒をご用意ください。

簡単蕎麦打ち(延し)

作業の前にはテーブルをよく拭いてから行ってください。最初にテーブルに軽く打ち粉をふり、生地を手のひらで押しながら円形状のまま薄くしていきます。

簡単蕎麦打ち(延し)

できるだけ均一な厚さでかつ、きれいな円形になるように仕上げましょう。直径約20cm程度まで延ばしたら完了です。ここからはいよいよ麺棒の出番です。

簡単蕎麦打ち(延し)

円形状になった生地に少々打ち粉をふり、円を麺棒で延ばしていきます。

簡単蕎麦打ち(延し)

次の工程にうまく円形のまま延ばすコツが書いてあります。

簡単蕎麦打ち(延し)

左手で生地を少しずつ(約30度間隔)回転させながら同じ力加減で延ばしていくと、一回りしたころには一回り大きくきれいな円が出来上がります。直径約30cm程度まで延ばしました。

簡単蕎麦打ち(延し)

大きさでいいますと直径約30cm程度まで延ばせればよいかと思います。

簡単蕎麦打ち(延し)

次に生地に打ち粉をふってから生地を麺棒に巻きつけます。

簡単蕎麦打ち(延し)

麺体を巻きつけたら、手前から上の方に手の甲にほんの少し力を加えながら転がしていきます。

簡単蕎麦打ち(延し)

上まで行ったらまた戻して転がします。その作業を3~4回程度繰り返します。

簡単蕎麦打ち(延し)

数回転がしたら180度回転させて生地を広げます。その生地を再び麺棒に巻きつけてから、手前から上の方に手の甲にほんの少し力を加えながら転がしていきます。⑦での作業と同じ作業ですね。

簡単蕎麦打ち(延し)

上の作業が終わりましたら、今度は生地を90度回転させて広げます。カレーパンマンの輪郭みたいな形ですね。

簡単蕎麦打ち(延し)

再び生地を麺棒に巻きつけます。手前から上の方に手の甲にほんの少し力を加えながら3~4回程度転がしていきます。生地の向きを変えて⑦での作業を行うということなります。

簡単蕎麦打ち(延し)

生地を数回程度転がしたら、180度回転させて広げます。その生地を再び麺棒に巻きつけてから、手前から上の方に手の甲にほんの少し力を加えながら転がしていきます。再び⑦での作業を行うということです。ここまでの作業が上手く出来ると、あれっ?生地がひし形になっております。

簡単蕎麦打ち(延し)

先ほどまでの作業を終えた生地を45度傾けますと、生地が写真ような四角形になります。このときの大きさは一辺が約30cm程度あればよいでしょう。

簡単蕎麦打ち(延し)

さて、これから出来上がった生地を麺棒できれいな四角形になるように延ばしていきます。本式ですと麺棒の扱い方としては、猫の手のような形を作って、折りたたんだ指と手のひらの部分で棒を転がす感じですが、今回のような場合ですと、逆に麺棒を手のひらの部分で棒を押し転がすようなイメージで延ばすとスムーズに延ばすことができます。

簡単蕎麦打ち(延し)

ここで取っ手付きの麺棒を使うと、非常に楽に延ばすことができます。

簡単蕎麦打ち(延し)

一辺の大きさが約40~45cm位まで延ばせたら完了です。延しの作業はこれで完了です。ここまでできればもう少しです。大丈夫!少しくらい形が崩れていても!

簡単蕎麦打ち(延し)

「たたみと包丁」は、延し上げた生地を蕎麦に切り揃える最後の作業となります。延ばした生地の半分に、くっつき防止のためにたっぷりと打ち粉をふります。

簡単蕎麦打ち(たたみ)

上半分と下半分に重ねるようにたたみます。

簡単蕎麦打ち(たたみ)

たたんだ生地を3等分に、均等な幅になる位置をチェックします。

簡単蕎麦打ち(たたみ)

生地の半分に打ち粉をふってから、生地の左側1/3の部分を真ん中1/3の部分と重なるようにたたみます。

簡単蕎麦打ち(たたみ)

簡単蕎麦打ち(たたみ)

簡単蕎麦打ち(たたみ)

打ち粉をふってから、生地の右側1/3の部分を先ほどたたんだ部分と重なるようにたたみます。

これでたたみの作業は完了です。

さぁ!あとは切るだけです。

まな板の上で包丁の作業にかかります。まな板の上に軽く打ち粉をふり、たたんだ生地をまな板の上にのせ、生地に打ち粉をふりかけます。

簡単蕎麦打ち(切り)

まな板の上に打ち粉をふる訳は、ふった打ち粉の厚みで生地とまな板の間に隙間をつくり、包丁で切った時の切り損じが出ないようにするため、生地にふる訳は、コマ板が滑りやすくするためです。

簡単蕎麦打ち(切り)

手こまで生地を切っている状況です。やはり均等に切り揃えるのは非常に難しいです。でもそんなに切り幅にこだわらないのであれば、手こまでも大丈夫です。手を切らないように注意して切ってください。

簡単蕎麦打ち(切り)

こちらはダンボールを加工してこま板を作成しました。ダンボール製のこま板を使いながら切っている状況です。

簡単蕎麦打ち(切り)

こま板に添える手にはあまり力を入れないように切っていきます。速く切ろうとするより、切り幅を確認しながらゆっくりと切っていくほうが最後の仕上がりがよくなります。一本一本の蕎麦が均等の太さになるように正確に切り揃えることで、蕎麦を茹でた時に茹で上がりのムラが無く茹で上がります。

簡単蕎麦打ち(切り)

さぁ、これで簡単蕎麦打ち講座は終了です。お蕎麦を美味しく食べるコツは挽きたて・打ちたて・茹でたての3たてです。

さっそくお蕎麦を茹でてお召し上がりください。ぜひお家でご家族と楽しくワイワイとお蕎麦打ちを楽しんでください。そして皆様で打った美味しい打ちたてのお蕎麦を召し上がってください。以上、ふくい越前の小さな粉屋「まッサン」のご自宅でできる簡単蕎麦打ち講座でした。