柚子を練りこんだ「柚子切り蕎麦」はひと口食べると口の中に柚子の香りが広がる。

「お客様が打った珍しいお蕎麦をいただきました」

今年も気がつけばもうすぐ2月になろうとしております。12月が慌ただしかった分、1月は少し落ち着いて色々しなくてはいけないことをやろうと思っておりましたが、結局あれもこれもという感じで中々進みません。さて、先日いつも弊社の越前そば粉をお求め頂いている地元のお客様からこんなものをいただきました。

「蕎麦に柚子を練りこんだ柚子切り蕎麦」

蕎麦に柚子を練りこんだ「柚子切り蕎麦」です。ほのか な柚子の香りと色を楽しむ上品な「変わり蕎麦」でした。本来は冬至の頃が旬の季節の蕎麦でもあります。そば麺の所々柚子の黄色い色が見られ綺麗な色の蕎麦です。ひと口食べると柚子の香りが広がってきます。

変わり蕎麦「柚子切り」

「変わり蕎麦という蕎麦」

「変わり蕎麦」は、そばの実の中心付近から取った真っ白なそば粉(更級粉)で打ちます。この更科粉に色々な季節ごとの旬の食材を混ぜて打った蕎麦を「変わり蕎麦」と呼びます。更科粉に混ぜるものも多種類あって、いろんな種類の蕎麦が楽しめますが、打ち方には非常に技術を要する湯捏ねにて打ちます。※弊社では、更科粉は取り扱っておりません。

良く知られるものとしては、鶏卵の黄身を混ぜたもの「らん切り」。黒ごまの粉末をそば粉に練り込んだ変わりそば「ごま切り」。抹茶をそば粉に練り込んだ「茶そば」。桜海老の粉末をさらしな粉に練り込んだ「桜海老切り」。すりおろしたゆずの皮を混ぜる「ゆず切り」などあります。その他にも、その時の季節の旬の味を楽しむ色んな変わり蕎麦が多数あります。

春には桃色が美しい「桜切り」、青々とした香りがする「よもぎ切り」

夏にはさわやかな「しそ切り」「笹切り」

秋には「菊切り」

冬には香りの高い「柚切り」「みかん切り」

など実に様々な変わりそばがあります。季節ごとに風流な変わりそばを楽しむのも蕎麦打ちの楽しみです。

変わり蕎麦「柚子切り」

「変わり蕎麦(柚子切り)のレシピ」

変わり蕎麦は打ったことが無いので、どうやって打つのか調べてみました。「ゆずきり(柚子切り)」は柚子皮をそば粉に練り込んだ変わりそばです。柚子は色の良い大きめのものを用意して良く洗います。柚子の皮をむき皮の裏側の綿毛などを落とした後に若干水を少し加え、ミキサーなどで十分にすりつぶしどろどろにする。これを裏ごしにかけるとクリーム状のきれいな柚子皮糊が取れます。柚子皮の糊をそば粉に練り込みます。裏ごしした柚子の糊は、そば粉の約20%程度が必要になるので、そば粉1㎏に対してユズは10個程用意する必要があります。柚子の香りが口いっぱいに広がる変り蕎麦です。

更科粉で蕎麦を打ったことも、湯捏ね打ちもしたことがないので、機会があったらぜひ挑戦してみようと思います。

※この記事は2014年2月のアメブロ「ふくい越前の小さな粉屋店長のブログ」の記事を再編集しております。