スロヴェニアにおけるソバ文化について調べてみた。

「遠く離れたスロヴェニア共和国は中欧に位置している」

スロヴェニア共和国は中欧に位置し、隣国はイタリア、オーストリア、クロアチア、ハンガリーでアドリア海に面しています。大きさとしては日本の四国ほどの大きさで、国土の66%が森や公園で覆われた自然豊かな国です。

「ヨーロッパの中でも小さいが多種あふれる国」

最高峰トリグラウ山がそびえ立つユリアンアルプスの凛々しい姿、「アルプスの瞳」と称され青く輝くブレッド湖、ユニークな地形と自然の厳しさが作りだしたヨーロッパ最大のポストイル、ピランなど見どころは尽きません。中央ヨーロッパ、特にハプスブルグ家の影響を強く受けた首都リュブリャナでは素晴らしい建築物を、ワイン生産地としても有名な第二の都市マリボルではギネスブックに記録されている世界最古のぶどうの木なども見どころです。小さいながらとても多様性にあふれた国がスロヴェニアです。

スロヴェニアでも蕎麦食が盛んである

スロヴェニア面積:20.273k㎡
首都:リュブリャナ(30万人)
人口:200万人
公用語:スロヴェニア語
気候:海岸地方は地中海性、内陸は大陸性、山岳地方では高山性
平均気温:7月では21℃ 1月では-2℃
時間:GMT+1(日本時間-8時間、夏季は-7時間)
通貨:ユーロ(EUR)

「スロヴェニアに伝わる言い伝えと蕎麦食」

かつてスラブ人が住んでいた土地は温暖で、陽射しの降り注ぐ、とても豊かな土壌でした。 やがて、人口が増え、土地は不足するようになります。争いを好まない人々は、その豊かな土地を去ることを決意します。 神様はその平和な気持ちに感謝し、去る人々に蕎麦の種を分け与えました。 そして「旅先で好きなところにこの種を播き、3日以内に芽が出たなら、そこがあなた方の居場所です。」という風に言いました。

黒海の海岸沿いも、ポーランドの平原も、ドイツの山脈でも芽が出ることはありませんでした。 そうしてたどり着いた先が現在のスロヴェニアです。蕎麦の種がきれいな白色の花を咲かせ、たくさんの蕎麦粉ができました。

こうして今でもスロヴェニアでは今でも蕎麦をよく食べているということです。 スロヴェニアに残る歴史的記録物によるとソバについての最初の言及は、1426年遡ります。 当初ソバは農家や貧しい人々のためのものというイメージがあったものの、次第にスロヴェニア人にとって欠かせない食物となっていきました。

スロヴェニアの伝統的な歌「po koroskem po kranjskem ze ajda zori」(意味:スロヴェニア中にソバの花が咲いている)でもこのようすをうかがうことができます。 ソバはスロヴェニア語では「アイダ」といい、アイダは、伝統的な女性の名前としても使われています。

スロヴェニアで長いソバ栽培の歴史を持つ代表的な地域の一つがプレクムリエという地方。 ハンガリー国境近くにある地で1994年に作られたこの地方オドランツィ区の紋章は木製のソバ脱穀機とソバからもたらされる富(コイン)を象徴しています。

蕎麦の実と紋章
「蕎麦の実と紋章」

「スロヴェニア(蕎麦)料理の一部紹介」

また、ソバの実だけでなくソバ殻を枕に使用するのは日本と同様です。「人々の心を開くには、まずはその腹を満たすことから。」これは、古いスロヴェニアのことわざです。この古くから伝わる民衆の知恵は真実味に溢れています。この教えに従ってスロヴェニアをより深く知っていただくために、スロヴェニア(蕎麦)料理を少しばかりご紹介したいと思います。

アイドウ・ポタンツェルまたはポタンツァ
カッテージチーズ入りのそば粉の塩味ポガチャ(お祭り用の円形のパン)です。祭事料理で、肉または野菜料理の付け合せとして食べます。

カッテージチーズ入りのそば粉の塩味ポガチャ
そば粉の生地を使ったポケット(袋詰め)状の料理

コズャンスコのポケット(袋詰め)料理
そば粉の生地を使ったポケット(袋詰め)状の料理です。塩を加えたお湯で調理します。中には栗の実が詰められ、肉の揚げかすとクリームを添えます。主菜または肉のソース料理の付け合せとして食べます。

茹でてつぶしたソバの実と炒めたキノコを組み合わせた料理

キノコ入りソバの実のポリッジ
茹でてつぶしたソバの実と炒めたキノコを組み合わせた風味豊かで香り高い料理です。ヤマドリタケが最もよく合いますが、新鮮なキノコを色々混ぜたものも美味です。 オートミールのような料理。

ソバの実とトウモロコシのジュガンツィ

ソバの実とトウモロコシのジュガンツィ
すでに19世紀には、ジュガンツィはクランスカの中心的な料理でした。ソバの実とトウモロコシ、ときにはオオムギを2つの方法で調理したものです。現在でもゴレンスカの代表的な基本料理のひとつです。

ソチャ川のマスのそば粉/コーンフラワー焼き

ソチャ川のマスのそば粉/コーンフラワー焼き
ソチャ川のマスにソバ粉またはコーンフラワーをまぶし、脂肪または油で焼くのが伝統的な料理です。

「スロヴェニアでは蕎麦をそば粉の状態や蕎麦の実の状態で食す」

蕎麦をそば粉の状態や蕎麦の実の状態で食するのが一般的なようですね。「蕎麦食」は日本独自のものかと思われておりましたが、日本と遠く離れた国でも食べられている「蕎麦」。なんだか不思議な感じもしますがまた色々調べてみたいと思います。