平成30年福井県産秋そばの栽培レポートその1「播種(種まき)後」

「今週末からはお盆休みに突入します!」

 8月になったと思っていたら、ふと気が付くと今週末からは早くもお盆休みになります。製粉所も連休前の製粉ラッシュです。弊社もお盆期間につきましては12日から15日までお休みをいただきます。お盆休みのお蕎麦打ち用のご注文はお早めにどうぞ!

「平成30年産ふくい越前夏の新そば粉残り僅かになりました。」

 先月上旬より販売中の「平成30年産ふくい越前夏の新そば粉」も在庫の方が残りわずかとなってきております。年々ご注文数量が予想数量より多くなってきており、今年も予定より早くなくなりそうです。無くなり次第今年分につきましては販売終了となりますのでお早めにどうぞ!

「平成30年福井県産秋ソバの栽培状況」

 さて、夏の新そばの次はいよいよ夏に種をまき、秋に収穫する「秋そば」の栽培になります。播種後の圃場状況を見てきました。今年は初夏の頃より記録的な猛暑が続いております。テレビやニュースでは40度を記録した所もあるなどと聞きます。こちら福井県でも連日35度を超える炎天下が続いており、さすがに何もしていなくても身体がしんどい毎日です。そのせいで降雨量も全く無い状況です。播種後に土壌がちょっと湿るほど軽く降ってくれるとパッと発芽してくれるのですが・・・

播種(種まき)後のソバ圃場

 一部ではちらほらと発芽しておりますが・・・まだまだこれからのようです。ちなみに今年は一部圃場にて湿害対策、収穫量向上対策として「ソバ小畦立て播種法」での播種を行っております。今年は、弊社の管理圃場でも通常の方法で播種を行った圃場とソバ小畔立て播種法で播種を行った圃場との反収などのデータなども取っていきたいと思っております。

発芽したソバ

「ソバ小畦立て播種法」とは

 そば王国でもある福井県は作付面積、収穫量とも全国上位に位置するそば産地になります。しかしソバは特に水気に弱いのですが、圃場の大多数は水田転作地となります。また、播種直後の大雨や成長期間中の長雨などによって収穫量がガクンと大きく落ちる年があり、生産量の安定化に向けて排水対策が課題となります。
 通常ソバの播種(種まき)というと、土に溝を切って種 子を落とし、土をかけて埋めていくという流れで進行していきます。しかし、種の周囲に雨水が溜まるようなくらいの大雨や長雨が降ると、圃場が滞水してソバが湿害を受け発芽不良や生育不良を起こします。
 対策として、種を地下に埋めずに地表面に種を並べ、種の両側から土を切り盛りすることにより、排水溝と畦を同時に形成させます。これは播種機に特別な小畦立て装置を装着することで可能となります。
 もちろんの事ですが、従来通り行われている溝切と弾丸暗渠による排水対策を並行して行うことが必須となります。

「ソバ小畦立て播種法のメリットとデメリット」

ソバ小畔立て播種法のメリット
 〇湿害と病害を軽減できる(根元の湿度の低下や通気性がよくなり、立ち枯れ性病害の発生を減少させる)
 〇雑草の発生が少なくなる(圃場全体の生育が良くなり、雑草の発生が抑制できる)
 〇収穫量の向上が見込める(収量の水準が低い圃場ではソバ小畦立て播種法の方が収穫量を高めることができる)※栽培条件の悪い(排水が悪い、水の多い場所)では、ソバ小畦立て播種法を行うことにより収穫量が改善できる。

ソバ小畔立て播種法のデメリット
 〇小畦立て播種を行うと、種の周囲が乾燥しやすくなるので、乾燥状態が続くと発芽率が悪くなる

 と、書いているうちに台風13号の影響でしょうか?昨日より曇り空だった空からはポツポツと雨が見られてきました。台風の進路的には福井県は外れているみたいなので、あんまり大雨にならないで適度な水量がほしいものです。

増田そば製粉所の作業場前