平成30年産そばの作付面積及び収穫量(農林水産統計より)

「平成30年都道府県別蕎麦年間生産量の推移」

 平成30年産の農林水産省の農林水産統計が平成31年2月14日公表されました。昨年は国産そばの大多数を占める北海道産が不作だったのですが全国的にはどうだったのでしょうか?

「そばの収穫量は前年産に比べ16%減少」

 今年も農林水産省の農林水産統計が公表されました。年々栽培環境や気候・天候が急激に変化していく中で、ここ数年特に収穫量的にも良かったと感じる年は見られないのですが、さて昨年の全国のそばの作付や収穫量はどうだったのでしょうか?

全国的な蕎麦栽培生産の傾向

 〇作付面積:全国の作付面積は63,900ha(前年比較で+1,000ha(+1.6%)の増加)
ソバの作付け面積は前年に比べ増加傾向であり、過去6年間でも年ごとの増減はありますが、徐々に増加傾向にあります。

 〇10a当り収穫量:全国の10a当り収穫量は平均45kg(前年比較で-10kg(-18.0%)の減)
作付面積は増えたものの、特に国産ソバの多くを占める北海道での日照不足・大雨による湿害や台風による影響が大きかったのかもしれません。

 〇収穫量:日本全国のそば収穫量は28,800t(前年比較で-5,600t(-16.3%)の減)
ソバの作付面積は前年に比べて微増だったものの全体的な収穫量は-5,600tと前年より15%以上も減少している。北海道を除く収穫量上位県については前年より微増もしくはほぼ変わらない収穫量だったものの、国産ソバの約4割を占める北海道産が過去6年で最も少ない収穫量だった影響がありました。

都道府県別蕎麦年間生産量の推移一覧表
都道府県別蕎麦年間生産量の推移

 ちなみに、毎年外国から輸入されるソバについては、玄蕎麦で約5万トン、抜き実で約4万トンを合わせて合計で約9万トン程度だというから、国内で消費されるそばのうち約7割が外国産、たったの約3割が国産ということになります。また、平成24年産から比べるとどんどんと国内産ソバの収穫量が減ってきているように見られます。数字であらためて見るとやっぱり国産ソバは貴重なんだと感じられます。

「平成30年の福井県産(福井在来種)の収穫量と過去との比較」

 さて、昨年の福井県産ソバの収穫量はどうだったでしょうか?弊社としては一昨年の平成29年が近年にない大不作だったこともあって、昨年はそれに比べれば良かったかな?という感じでしたが、福井県内でも地域によっては湿害やその他の影響もあって2年連続で厳しい地域もあったそうです。

〇作付面積:福井県の作付面積は3,350ha(前年比較で-350ha(-9.5%)の減少)
ソバの作付け面積は平成24年では4,050haだったのが、平成30年では3,350haとここ5~6年で約17%の減と、他作物への転換等があるのか?じわじわと減ってきているのが気になります。もっと増えてほしいところですね。

〇10a当り収穫量:福井県の10a当り収穫量は平均36kg(前年比較で+14kg(+63.6%)の増)
一昨年の平成29年は大不作の年で10a当り収穫量も22kgと過去5~6年でも最低の年でしたのでそれと比較するといい数字に思えますが、もう少し収穫量が上がってほしいものです。昨年から湿害対策の播種方法など行っている地区はやっぱり10a当り収穫量も良かったです。ソバ小畦立て播種法→平成30年福井県産秋そばの栽培レポートその1「播種(種まき)後」参照。

〇収穫量:福井県のそば収穫量は1,210t(前年比較で+396t(+48.6%)の増)
10a当り収穫量と同様ですが、一昨年の平成29年は大不作の年で収穫量も814tと過去5~6年でも最低の年でしたのでそれに比べればマシかな?といった数値です。2,000t前後収穫されていた年もありますからそれに比べるとちょっと寂しいですね。

「平成29年産そばの作付面積及び収穫量(農林水産統計より)」

 昨年の平成29年産そばの作付面積及び収穫量(農林水産統計より)と平成30年産そばの作付面積及び収穫量(農林水産統計より)を比較してみると、年によってどれだけの収穫量だったか比較出来て面白いかもしれません。