平成29年福井県産秋蕎麦の栽培レポート番外編「自社蕎麦栽培乾燥調整作業も無事終了!」

「自社栽培管理分の平成29年産秋蕎麦の乾燥作業が終わりました」

 10月下旬より11月中旬にかけて刈取りされた「平成29年福井県産秋蕎麦」も11月下旬となり、ようやく自社栽培管理分のソバの乾燥作業と調整選別作業も終えることができました。

「今年の福井県内の蕎麦の生産状況」

 さて、先日の地元福井新聞にて「県産ソバ7割減か」との見出しで掲載されておりましたが、JA県経済連は、今年産の集荷量は昨年産(約470トン)の3割程度にとどまると見ているとの事でした。今年度については福井県産ソバの確保もそうですが、それに伴う価格の高騰にも苦慮しそうです。

「弊社の栽培管理部門乾燥施設へのソバ搬入状況」

 弊社での栽培管理している越前産ソバの刈取りも11月中旬には終えることができ、随時乾燥作業に入っておりました。下記のように刈り取られたソバの実はパックに入れられ随時搬入されてきます。通常の年ですと一日に一圃場から何回も搬入され、乾燥施設のほうが受け入れるためにてんやわんやとなりますが、今年のような不作の年には一日に一回、しかも夕方に一回運ばれてくるような状況でした。

トンパックで搬入される刈り取られたそばの実
刈り取られたソバはトンパックにて搬入。この袋一杯でソバが大体500kg程度になります。

 こちらは2トンダンプの荷台で運ばれてきた、収穫されたソバの実です。茎やら土など混じっておりますから、粗選機で茎やごみ等を取り除いてから乾燥機に入れ込みます。上記のトンパックにての搬入の場合はパックから直接漏斗機に入れ、そこから乾燥機に入れることができますが、この場合は人力で乾燥機に入れ込みます(汗)

乾燥調製前のそばの実
ここから生のソバの実を乾燥調製をすると出来上がり量は約7割程度に減っていきます。

 収穫された蕎麦の実以外にも茎や土などが混じっているので、粗選機にかけてある程度取り除きます。中には雑物以外にも蕎麦の実に交じって虫(テントウムシ・クモ等)などもチョコチョコ顔を出します。無農薬ですから虫が混じっていてもおかしくはありません。虫などもこれ以降何回も選別する過程の中で除外されていきます。

茎や土に交じって虫なども混じっている
茎や土に交じって虫なども・・・

 ここである程度雑物を取り除いておかないと、特に水分を多く含んでいるときなど乾燥機が詰まって動かなくなったり、生の蕎麦の実の水分率のはっきりとしたデータが取れなくなりますので、大事な工程の一つになります。

粗選機にかけて雑物除去中の収穫されたそばの実
収穫された蕎麦の実を粗選機にかけて雑物除去。

 粗選機で選別され送られてきた蕎麦の実をようやく乾燥機に送り出します。手に取ってみるとある程度ごみが除外されているのが確認できます。ここでの蕎麦の実に含まれている水分率は約30%になります。ここから徐々に乾燥させ、最終的には14.5~15.0%まで落とします。

粗選機で選別されたそばの実
粗選機で選別された蕎麦の実を乾燥機に入れます。

 弊社の乾燥のやり方としては、蕎麦の実の乾燥も最初は熱を加えず送風循環でできるだけ自然に水分が飛ぶようにしていきます。その後に30~35度程度の低い温度で水分量約17%~18%まで落としたところで一度乾燥機から取り出し、トンパックに詰め倉庫で数日養生させます。
 蕎麦の実は乾燥後も生きておりますから、蕎麦の実自身で水分を調節しようとします。そのためここで0.5~1%程度の水分量の(戻り)が出てきます。これはその時の天候や湿度などで変わってきます。
 その後再び乾燥機に投入し、水分量14.5%~15.0%になるようにゆっくりと調整乾燥を行いようやく乾燥終了となります。

 ①最初は送風循環乾燥で自然に近い形で乾かしていく。
 ②一気に高い温度で乾燥せず、低い温度でゆっくりと目標水分量手前まで落とす。
 ③一度乾燥機より取り出し一旦蕎麦の実を落ち着かせる。
 ④最後に目標水分量に達するようゆっくりと調整乾燥を行う。

 手間と時間がかかりますがこの4点を行うことで、蕎麦の実自体が持っている実力をそのまま引き出し、蕎麦の香りや旨味を逃さず、蕎麦粉にした時にしっとりとした状態を得ることができます。
 大事な点はまず、過度な乾燥をかけて水分量が低くならないようにすること。最終水分量が同じ15%程度仕上がりでも、上記のようにじっくりと蕎麦の実にストレスを与えずに乾燥した場合と、一気に高温で乾燥したものでは蕎麦粉にした時の品質に差が出てくるかと思います。
 今回は平成29年福井県産秋蕎麦の栽培レポート番外編(ソバ乾燥編)でした。