「令和元年産」福井県産夏の新そばの生育状況は?そば畑を見学!

「令和元年初の福井県の夏そばの生育状況は?」

 今年もはや6月に入りましたが、先週まではもう夏?と思うくらいの30度超えの気温が続き、本番の夏前に思いやられると思いきや、今週からは少々ぐずついたお天気模様です。さて先週のお天気のいい日を狙って福井県産夏そばのそば畑に行ってきました。

「6月上旬のそば畑は白い花が満開に咲いています」

 福井県の夏そばは、4月下旬から5月の春に播種(種まき)を行います。主な栽培地としては、福井県福井市、坂井市北部丘陵地、あわら市などで栽培されています。今回は福井市の河合地区にあるそば畑を覗いてきました。種まき後にも行ってみたかったのですが、今年のゴールデンウイークは10連休ということもあり、結局ほとんどお休みをとれない状況だったので播種から1カ月以上も経過してしまいました。4月の下旬以降にちょっと雨が降った以降は、ずっといいお天気だったので心配はしていなかったのですが、さて生育状況はどうでしょうか?

 そば畑に近づいてみると・・・ちょうどそばの白い花が満開で一番いい見頃時期ではないでしょうか?夏に1回、秋に1回の合計2回も一年に開花が見られるのはとても嬉しい!製粉業としても近年の天候のめぐるましい変化や、天候不良による収穫量の低下などを考えると、年々心配になってしまいますが、一年に夏と秋の2回も国産(福井県産)の蕎麦が手に入ることで、少しでも安定的にお客様に良質の福井県産そば粉をお送りできますので、今回のそば畑の状況を見てワクワクしてきます。

令和元年6月の福井県福井市河合地区のそば畑全景
快晴のお天気の中、風にゆらゆらと揺られる夏の新そば

 そば畑に近づくにつれ、吹いている風に紛れて独特の匂いが漂ってきます。この独特のそばの花の匂いにつられてたくさんの虫がそば畑を訪問します。実はそばは他家受粉によって実がなります。そばの花には長柱花と短柱花の2種類存在します。同じ花同士では受粉せず、そばはこの2種を昆虫などによって受粉させる、「適法受粉」という方法でなければ結実できない仕組みになっています。だから開花時にそば畑に訪れる虫さん達は種粉をお手伝いしてくれるため大歓迎ということになります。5月中はずっといいお天気が続いていたので虫達もたくさんやってきたのでしょうか?いっぱい結実してたくさん実をつけてほしいものです。

夏そばの白い花が満開
背丈は約60センチ程度まで成長しています

 6月6日現在でもうすでに実をつけているところもあります。まだまだ白い実ですけど・・・さて昨年も感じたのですが、福井在来種を播種する秋そばですとヒョロヒョロと1m程度まで成長していくのですが、実の付きは多いのですが、品種の違いでしょうか?栽培時期の違いでしょうか?夏そばは伸びても60cm~80cm程度位で止まってしまいます。でも収穫時には倒伏しずらいから刈取りがしやすそうでいいのかもしれませんね・・・

 昨年は収穫時期の長雨と降りやんだ後の高気温により穂発芽(春播き栽培では梅雨の初期に収穫期を迎えるため、降雨とその後の高気温により作物の実が穂についたまま発芽してしまう現象)してしまうということもあり、まだまだ収穫までは心配な毎日ですが・・・このまま順調にいけば、一部圃場の関係で3月の下旬に播いた場所は6月20日前後には刈り取るそうですが、本格的な収穫時期は6月の下旬ころから状況を見ながら随時刈取り作業に入りそうです。その頃にはまた圃場までお邪魔して、そば畑の状況や刈取り風景などを見てきますね。

まだ黒化していない白い状態のソバの実
白い実がついていますがこれからどんどん黒化していきます

 「おまけ」当製粉所にあります猫の額ほどの畑に播いたソバ殻の中に!こっそりと紛れていたそばの実(福井在来種)が頑張って発芽していました。せっかくど根性で頑張って成長しているのでこのまま見守っておりましたら、こちらも可愛らしい白い花を咲かせてくれました。そば畑のように広い面積だと開花時の匂いも気になるかもしれませんが、観賞用に庭先にでもちょっと植えてみると、花を咲かせた時がとても可愛らしいのでいいかもしれませんね!

製粉所の畑に咲いたど根性ソバ

 動画でも令和元年福井県産夏そばのそば畑風景を楽しんでください。快晴のお天気の中で静かな中に風に揺られる満開のそばの花風景を見ていると、とっても気持ちがいいですよ!