一鉢・二延ばし・三包丁

そば打ちは、一鉢・二延ばし・三包丁、または包丁3日・延ばし3月・木鉢3年といわれています。この言葉はそばの手打ち技術のポイントとして、古くから伝えられている言葉であります。

鉢とは木鉢の作業のことです。つまり木鉢でそば粉とつなぎ粉と水を混ぜ合わせてまとめて玉にすることです。延しは麺棒で薄く延ばすこと。包丁は延したそば生地を包丁で切ることです。

もちろんのことですが、そばの手打ちの作業はこの順に行われますが、この作業の順番のことではありません。手打ちそばの工程を大きく三つに分けた時に、技術をマスターすることがむずかしい番から一、二、三と並べたものであります。また、難易度をより強調するために、包丁三日、延し三月、木鉢三年という表現を使ってもいるそうです。

そばの出来栄えのよし悪しに大きく作用するのが最初の木鉢での仕事の出来であると言われております。まず、そば粉に水を均等に結びつけることが必要で、そば粉自体が持っているつながる力(粘り)を引き出す。また、切れにくい生地にするには、玉をなめらかに仕上げることも大切です。手打ちそばといえば、リズミカルに蕎麦を切っていく、包丁の手さばきも鮮やかで見ていて楽しいですね。あれよあれよとそば玉が大きく延びていく、延しの作業も見ていて迫力があります。それに対して木鉢の作業は一見地味だが、最も難易度が高く、習得には時間と経験が必要ということが分ります。